春の東京競馬場を舞台に、牝馬の頂点を決めるヴィクトリアマイル。その歴史は、牝馬の競走馬としての価値を高めようとする競馬界の動きの中で、2006年に創設されました。
創設の背景
1996年のエリザベス女王杯の古馬開放をきっかけに、牝馬限定の重賞競走が増設され、番組体系が整備されていきました。それまで、優秀な牝馬は早期に繁殖入りするのが一般的でしたが、古馬になっても活躍する牝馬が増えたことで、春にも古馬牝馬の目標となるGⅠ競走を創設しようという機運が高まり、ヴィクトリアマイルが誕生しました。秋のエリザベス女王杯に対し、「春の女王決定戦」と位置づけられています。
レース名の由来
「ヴィクトリア(Victoria)」は、ローマ神話に登場する「勝利の女神」を意味します。
歴史と変遷
- 2006年: 4歳以上の牝馬によるGⅠ競走として創設。第1回はダンスインザムードが優勝しました。
- 2007年: 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記がJpnIに変更されました。
- 2009年: 外国調教馬の出走枠が9頭に拡大され、格付表記がGI(国際格付)に変更されました。
- 2012年: 出走馬の選定方法が変わり、レーティング上位5頭に優先出走権が付与されるようになりました。
- 2014年: トライアル制が確立され、指定された競走の1着馬に優先出走権が付与されるようになりました。
- 2015年: 3連単で当時歴代2位(現在5位)、重賞レース歴代1位となる2070万5810円の高額配当が出ました。
- 2020年: 「ブリーダーズカップ・チャレンジ」の指定競走となりました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、無観客競馬として実施されました。
レースの特徴
東京競馬場の芝1600m(左回り)で行われ、スタートからゴールまで約526mの長い直線と、直線にある高低差2mの坂が特徴です。マイラーとしての総合力が試されるコースであり、スピードだけでなく、瞬発力や持続力も求められます。
歴代の主な優勝馬
- ダンスインザムード
- ウオッカ
- ブエナビスタ
- アパパネ
- ヴィルシーナ(連覇)
- ストレイトガール(連覇)
- アーモンドアイ
- グランアレグリア
- ソダシ
ヴィクトリアマイルは、創設からまだ歴史は浅いものの、数々の名牝たちがその名を刻んできた、春の重要なGⅠレースとして定着しています。
2025年のヴィクトリアマイル、ワクワクしますね!現時点での有力候補は先ほどお伝えした通りですが、どの馬が勝つかは本当に予想が難しいです。
ただ、いくつか注目しておきたいポイントがあります。
- アスコリピチェーノの安定感: 2歳女王の実績に加え、NHKマイルカップ2着、そして前走の牡馬相手の勝利は非常に評価できます。牝馬限定戦では中心視される可能性が高いでしょう。
- ステレンボッシュの巻き返し: 桜花賞馬の能力は疑いようがありません。前走の大敗をどう評価するかが鍵になりそうですが、東京マイルへの適性があれば十分にチャンスはあるでしょう。
- 勢いのある4歳牝馬: クイーンズウォークやサフィラなど、古馬になって力をつけてきた馬たちの勢いも見逃せません。
- 東京マイル適性: ヴィクトリアマイルは東京の長い直線がポイントとなるため、過去の東京マイルでの実績や、広いコースでの末脚の鋭さは重要な要素です。
現時点では、アスコリピチェーノが一歩リードしている印象ですが、ステレンボッシュや勢いのある4歳馬たちがどこまで迫るか、そして伏兵馬の台頭があるかなど、レース当日まで目が離せません。
最終的な予想は、枠順や当日の馬場状態、各馬の調子などを考慮して、レース直前に判断するのが良いでしょう。私も楽しみにしています!
コメント